ロボット市場で産学連携、世界初のロボット埋め込み型柔軟触覚センサー、佐竹製作所が東大とライセンス契約締結

ロボット市場で産学連携、世界初のロボット埋め込み型柔軟触覚センサー、佐竹製作所が東大とライセンス契約締結

 産業ロボットや治工具などのFA機械部品の製造・販売事業を展開する株式会社佐竹製作所(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:尾方 謙一)は、東京大学情報理工学系研究科が特許申請した、世界初の三次元方向の変位を検出できるロボット埋め込み型柔軟触覚センサーについて、東京大学とライセンス契約を締結したと発表。また、産学連携として大学から基礎技術移転を受け、同社にて製品化に向けた開発を2010年8月より開始することを発表した。 今後さらなる成長が予想されるロボット市場全体を俯瞰した場合、産業用途から民生用途を取り込みながら成長していくことが予測され、特に家事・生活支援・介護用など、「ロボットが人に接する機会」が増大すると考えられている。 しかし、従来のロボットは外装(人間で言う皮膚)を装着しない、もしくは硬い素材・材質で構成された外装を装着しているものが多く、人と接した場合、傷つけてしまう可能性やロボット自体が壊れてしまうことも考えられるという。そのため、ロボットへの衝撃を吸収できる、“柔軟な外装”を備えたロボットの必要性が高まっていた。 一方、ロボットが人と接するために重要になるのが、人間の基礎的な感覚である「触覚」。人間の皮膚にあるこの「触覚」は、「押す」といった一次元方位の変化だけでなく、「つねる・ひねる」といった三次元方位の変化も認識することができる。しかし三次元方位の変化までを認識できる触覚機能(触覚センサー)の開発は、視覚、聴覚、力覚と比べてロボットへの応用が難しく、なかなか進んでいないという。これまでの研究では、三次元方向の変形は検出できるが、金属製で硬いため柔軟な外装に埋め込むことができないセンサー、または柔軟だが一次元の変位しか検出できないセンサーなど、何かしらの欠点を抱えていたとのこと。 そこで東京大学は2007年より、“柔軟な外装”に埋め込むことができる“柔軟に変形する触覚センサー”を研究しており、2008年7月、ついに世界で初めて三次元方位の変位を検出できる柔軟触覚センサーを開発した。 この柔軟触覚センサーは、センサー自体が柔軟に変形できるため、柔軟な肉質外装に埋め込み「つねる・なでる」といった動作を加えても、ごつごつした違和感もなく、自然な手触りを実現できるという。また、外装の変形に追従して変形可能なため、埋め込んだセンサー間に不感帯を作りにくく、配置面積当たりのセンサー数を少なくすることも可能とのことだ。 富士キメラ総研が2009年に発表した「次世代生活支援・サービスロボットの将来展望」によると、触覚センサー市場は2015年には国内5億円・海外15億円、2020年にはそれぞれ30億円・120億円になると想定されており、触覚センサーやそれを搭載したロボットの需要は急激に高まると考えられている。 こうした背景を受け、同社は新規事業として触覚センサーをはじめとするロボットの認識・制御技術分野に参入することとなったとのこと。これにより、開発部門を持っていない点を補うため、東京大学と産学連携し技術開発の時間を圧縮することで、興味のある企業に対して、製品化に向けた開発を迅速に行えるようになったとしている。 今後の展望として同社では、海外も含め、2015年に売上3億円を目指すとしている。柔軟に変形でき三次元変位を検出できるという同センサーは市場のニーズにマッチしており、興味がある顧客と製品化へ向けた開発を行っていきたいと考えているようだ。また、現在は民生ロボット市場での普及を想定しているが、今後は高機能家具、医療機器、ゲーム市場などにも応用させ、柔軟触覚センサーを多角的に広めていく、とした。株式会社佐竹製作所http://satake-s.co.jp/

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